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律法+歴史書の部分 詩文書 預言書
過去形 現在形 未来形
上記のように律法、歴史書、詩文書等、預言書に分類でき、計39巻から成り立っています。
分厚い聖書ですが、ページの真ん中に開くと、詩篇のあたりに出てきます。この詩篇から前のページが○○○記になり、イスラエルの歴史が書かれています。詩篇から後半の○○○書は預言書になります。
預言書とはあらかじめ、未来に起こる出来事が書かれた歴史書のことを言います。その内容は、数十年先のことであったり、数百年後のことであったり、メシアの誕生、終末のできごとの預言です。
興味深いことに真ん中の詩篇は過去の天地創造やイスラエルの民がエジプトを脱出した話、ダビデの歌、将来(新約聖書)に出てくるイエスが十字架上で叫ばれた言葉やその他に預言的なことが詩になっています。いわば、そういう点で小さな旧約聖書とも言われます。
この詩篇を現在形とするならば、ある意味、律法(モーセ五書)と歴史書は過去形にあたり、預言書は未来形の部分として聖書の中で位置づけられます。
この聖書時代史を大雑把につかまれると聖書を読むときに助けになると思います。アブラハムが登場する前の、先史時代については神と人類が結んだ契約を鍵にして記しています。
【先史時代:創世記1~11章】
創世記1,2章 天地創造 人類人類創造のものがたり
エデンの園にいたアダムとエバのものがたり
エデン契約
「あなたは園のどの木からでも心のままに取って食べてよろしい。 しかし善悪
を知る木からは取って食べてはならない。それを取って食べると、きっと死ぬ
であろう」。
3章 アダムとエバはへびの誘惑により善悪の知識の木の実を食べてしまい、
人類に罪が入る(原罪)
誘惑した蛇に対して神は
「おまえは、この事(誘惑)を、したので、すべての家畜、野のすべての獣のうち、最も
のろわれる。おまえは腹で、這いあるき、一生、ちりを食べるであろう。
わたしは恨みをおく、おまえ(へび=サタン)と女とのあいだに、おまえ(へび
=サタン)のすえと女のすえ(女の子孫=キリストのこと)との間に。彼(キリ
スト)はおまえのかしらを砕き、おまえは彼のかかとを砕くであろう」。
(神の恵みと回復を表わしている=原福音とも呼ばれます。)
女に対して
「わたしはあなたの産みの苦しみを大いに増す。あなたは苦しんで子を産む。
それでもなお、あなたは夫を慕い、彼はあなたを治めるであろう」。
男に対して
「あなたが妻の言葉を聞いて、食べるなと、わたしが命じた木から取って食べた
ので、地はあなたのためにのろわれ、あなたは一生、苦しんで地から食物を取
る。・・・」
7~9章 ノア契約
ノアの箱舟、大規模の大洪水後 ノアと人人類に対して神は次のように言われる
「わたしがあなたがたと立てるこの契約により、すべて肉なる者は、もはや洪
水によって滅ぼされることはなく、また地を滅ぼす洪水は、再び起らないであ
ろう」。
【族長時代以降】
創世記12章 ウルの町から族長アブラハム カナンの地に入る
神がアブラハムとその子孫に土地を与える (アブラハム契約)
(アブラハム⇒イサク⇒ヤコブの子孫からへブル民族が誕生)
BC.1876 飢饉によりイスラエル(ヤコブ)一家がエジプトに移住
BC.1446 モーセに率いられ、イスラエ民が約束の地に帰還
(⇒モーセがシナイ山で十戒が授けられる シナイ契約)
【士師の時代】
【イスラエルの王国の起こりと分裂】
預言者サムエルがイスラエル統一王国の基礎を築く
BC1020年 サウルが統一王国の初代の王となる
BC1004年 ダビデがエルサレムに都を移し、イスラエルの王となる
ダビデ王の子孫からキリストが生まれる
ダビデ契約
【第一神殿時代】
BC.968~928 ソロモン王がエルサレムに神殿建設(第一神殿)
BC.928以降 ソロモン王の死後、北王国イスラエルと南王国のユダに分裂分裂
BC.722 アッシリアにより北王国イスラエルは滅亡 民はアッシリアに強制移住アッシリア捕囚
BC.586 バビロニアにより南王国ユダは滅亡 民はバビロニアに強制移住 バビロン捕囚
【第二神殿時代】
BC.538 ペルシャのクロスⅡ世の勅令でユダヤ人がエルサレムに帰還
BC.515 神殿再建工事が完了
BC.445 ネへミヤがユダを統治・エルサレム城壁再建
1)イスラエルの民の起こりはアブラハム、イサク、ヤコブの子孫から
創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記は伝統的にモーセが書いたとされ、ですからモーセ五書とも言われます。イスラエル民族が起こる前の、神の天地創造のものがたり、人類の誕生、さらにアブラ(ハ)ムが登場し、その子孫のイサク、ヤコブからイスラエルの民族が生まれます。このアブラ(ハ)ムは聖書の人物でも重要な人物の一人です。(はじめ、アブラハムはメソポタミアのウルで生活していましたが、神の語りかけがあってカナンの地に向かいました。また、アブラハムは祭壇を築いて礼拝しました。祭壇礼拝です。)
2)飢饉でイスラエルの民はエジプトに行く
ヤコブの息子に十二人の異母兄弟たちがいました。その中でも彼はヨセフを一番愛していました。そのことで他の兄弟たちはヨセフを妬みました。結果的にヨセフはエジプトの国に売り飛ばされます。詳細なことは省きますが、ヨセフはある主人の妻の証言でエジプトの王の監獄に入れられます。しかし、あるとき、ヨセフはエジプト王の夢の解き明かしをして王の信頼を得ます。ヨセフははヘブル人でありながら宰相になり、王から国の指導を任せられます。
そのころ、カナンの地において飢饉が起こり、イスラエルの民はエジプトに行くことになりました。ヨセフは彼らに便宜を図ります。ヨセフの兄弟たちもその中にいましたが、宰相のヨセフに出会ったとき、まさか、あのいじめていたヨセフだと気づきませんでしたが、ヨセフは兄弟たちに自ら、自分がヤコブの息子だと告白し、兄弟たちの過ちを赦します。彼らに和解が生まれました。
3)ヨセフを知らない新しいエジプト王パロが登場してイスラエルの民は奴隷状態になる
神から指導者としてモーセが立てられる
ヨセフの、死後、新しいエジプト王パロ(ファラオ)が登場します。彼はヨセフを知らず、イスラエルの民の数が増えて強くなることを恐れました。イスラエルの民を奴隷状態にして労役を課します。その状態を見かねてモーセが指導者として神から立てられます。モーセはイスラエルの民がエジプトから脱出、かって住んでいたカナンの地へ導きます。ここで紅海を渡る(紅海渡歩)のものがたりが出てきますが、この出来事を記録されているのがが出エジプト記です。他にモーセがシナイ山で神から授けられた石の板に書かれた十戒の話が出てきます。(十戒は申命記にも触れられています。)
また、神から祭司が着る服の規定や礼拝の場となる天幕(テント)の構造や器具の作りの規定が示されます。また、出エジプト記とレビ記にかけてイスラエルの三大祭り(過越の祭、仮庵の祭り、七週の祭り)が出てきます。幕屋(テント)礼拝の始まりです。
4)ヨシュアの登場
モーセがイスラエルの民を指導していたとき、ヨシュアはモーセの後継者として教育、訓練の経験をします。モーセはイスラエルの民の紅海渡歩を導きました。しかし、ヨルダン川を渡ることはできずにモーセは亡くなります。つまり、モーセの指導はカナンの地に行く道半ばで終わってしまいました。(民数記)
ヨルダン川を渡り切れなければ、イスラエルの民は約束の地、カナンには行けません。その残りの道を後継者のヨシュアがイスラエルの民を導きます。(ヨシュア記)
5)士師(さばきつかさ)の時代
ヨシュアが亡くなり、イスラエルの民はカナンの地に定住しますが、問題がありました。指導者の後継者が育っていませんでした。その間、さまざまな士師(さばきつかさ)たちが登場します。指導者的な役割を持っていましたが、とても不安定なものでした。特に先住民の偶像礼拝の影響です。
士師(さばきつかさ)が亡くなると、イスラエルの民は神に背いて偶像礼拝に走ります。すると外敵に会い、イスラエルの民は攻撃に遭います。そこでイスラエルの民は神に立ち帰り、悔い改めます。すると回復し、平和になり、新しい士師(さばきつかさ)が登場します。しかし、また、イスラエルの民は神に背いて偶像礼拝に走り・・・、外敵に会い・・・、悔い改めて・・・、回復し・・・と繰り返します。このパターンで計十二人の士師(さばきつかさ)たちが登場しました。
6)統一イスラエル王国の誕生と南北分裂王国時代
士師(さばきつかさ)の時代の終わりからイスラエルの民は他の国(異邦人の国)のように王様を求めるようになります。神はイスラエルに王の誕生を許され、サウル王を起こし、さらにダビデ王が誕生します。実はこのダビデの子孫からキリストが生まれることになるのです。(サムエル記に書かれています。)
また、このダビデ王は今で言うと、とても器用な王で、シンガーソングライターの音楽家でもありました。それらの詩がは詩篇の中に多くおさめられています。(彼は竪琴のハーブ奏者であり、精神的不調に陥ったサウル王のために竪琴を奏したこともあります。)
さらにダビデ王は主への礼拝に合唱隊、楽器を使った賛美が用いられたようです。礼拝は献げるいけにえの動物として、とくに羊などを使用していましたが、ダビデは目に見えない形、すなわち「賛美のいけにえ」を献げるという形でも礼拝したのです。ダビデの幕屋礼拝です。これが今日のキリスト教会の礼拝で讃美歌を歌うというのはダビデの幕屋礼拝から始まったのではないかと個人的に私は思います。
また、ダビデの息子であるソロモン王が第一神殿(ソロモン神殿)を建設しましたが、イスラエルは南北の王国に分裂します。南王国のユダと北王国のイスラエルです。このものがたりは列王記・歴代誌に書かれています。その間、数々の預言者と言われる人物たちが登場します。
7)捕囚時代と第二神建設建設
しばらくの間、この分裂王国時代は続きました。しかし、それぞれに外国勢力によって攻撃されることになります。先に北のイスラエルがアッシリアの国によって滅ぼされ、民はアッシリア捕囚となります。その次にユダがバビロンの国によって滅ぼされます。ユダにあったソロモン王時代の第一神殿は破壊されます。イスラエルの民はバビロ二アに連れられます。いわゆるこれがバビロン捕囚です。
しかし、その後、バビロ二アはペルシャの国に滅ぼされます。ペルシャの王であったクロス王の霊(心)に神は働きかけられ、クロス王はイスラエルの民にエルサレムに戻って自分たちの新しい神殿(第二神殿)を造るようにと命じます。この建設に妨害はありましたが、その後、エズラ、ネへミヤが登場してついに第二神殿が完成します。また、エルサレムの城壁も築きました。(エズラ記・ネへミヤ記)
王国時代、捕囚時代、捕囚後時代の各時代に数々の預言者たちが現れ、その預言内容がイザヤ書からマラキ書にかけて書かれています。
(マラキ書以降からイエスの誕生までの期間は約四百年間の空白があります。これを中間時代と言います。この中間時代は旧約聖書続編のマカバイ記に記されています。)